今回は、高2の一年間の大まかな流れをお伝えしておきたいと思います。

高校2年生の1年間は前半と後半で重要性が大きく異なります。夏休みまでの前半は、高1の夏から始まったモチベーション下降期の最終段階で、言葉を変えれば「高校生活を楽しむ」時期です。一方、夏休み以降は受験勉強をスタートして、勉強の量も質も一気に引き上げていかなければなりません。現在の状況ですと、日東駒専レベル以上の大学を一般入試で狙う場合、しっかりと二年の段階でスタートを切ることができるかが合否の鍵を握る可能性が高まっています。

  • 高1・二学期〜高2・一学期:モチベーション下降期
  • 高2・二学期:受験勉強スタート
  • 高2・三学期:受験学年準備

勉強面において前半・後半で大きな変化が起こる時期であると同時に、普段の学校生活の面でも様々な変化があります。まだ事情が分からない高1生、受験生である高3生と異なり、高2生は学校の様々なアクティビティの「主役」となります。体育祭、文化祭などの大きな行事から様々な小行事、部活動の運営、そして修学旅行もあります。これらの諸行事は勉強と対立するように思われますが、そうではありません。過去の生徒達の様子を見ていても、これらのアクティビティをしっかりこなし「充実」していた生徒ほど、受験でよい結果を残している現実があります。

様々なことが一気に起こる高2の1年間を見ていきましょう。

4月〜6月 モチベーション下降期の後半戦

  1. 部活動の主役として、各大会に向けて準備、練習に追われる
  2. 受験はまだ先のことなのでイメージが沸かない
  3. 勉強面では保護者との対立が起こりやすい

ポイントとなるのは「3」項でしょう。保護者の方からすれば、高2が始まれば受験にむけて「時間はそれほどない」と分かっています。しかし、生徒からすれば「時間はまだまだある」。その結果、そろそろ勉強を頑張って欲しい保護者と、日々の生活に夢中の生徒との間で衝突が起こる可能性があります。しかし、結論から言うと、この時期に受験勉強に向けて意識を切り替えるのはなかなか難しいものです。というのも、意識の切り替えは何らかの外的状況の変化が必要な場合が多いのです。高2生の場合、それはおそらく「夏休み」になるでしょう。

7月 変動期

生徒の様子

  1. 受験はまだ先のことなのでイメージが沸かない
  2. 意識の高い生徒(塾に入っていない)が、“受験のための”塾を検討し始める

塾での指導

  • 第二回全統模試に向けた勉強指導
  • 将来の夢、目標の絞り込み
  • 分野毎の課題図書の指示

7月になると、これまで塾に入っていなかった生徒達でかつ上位校を狙う層が塾を探し始めます。夏休みに向けて塾の広告が増えることも原因の一つですが、タイミングとしても上位校受験生は「よく分かっている」といえます。県立のトップ校などではこの傾向が顕著です。我々の塾ではよく生徒達に「高2の夏から受験生!」と指導しますが、それが世間一般の流れであることの証左です。

8月 受験モード最初の一歩

生徒の様子

  1. 中堅大を目指す生徒は、徐々に意識が変わり始める
  2. 難関大志望生は明確に意識が変わる
  3. やるべきことが明確にならず、気持ちが先走りがち

塾での指導

  • 一ヶ月掛けて自身の課題を一つでもつぶす経験を積んでもらう
  • 第二回全統模試に向けた準備と終了後の分析

8月は夏期講習の時期ですが、例年生徒達の様子にはばらつきがあります。最難関大志望者は完全に受験モードに入ることも珍しくありませんが、一方で難関大〜中堅大志望者はまだ「ためらい」がある時期です。やるべきなのは分かっているし、周りの雰囲気も(塾では)変わってきたけど、これまでの生活をガラリと変えるのも怖い、という状況です。そのような場合、これから日々盛り上がっていく周囲の雰囲気の流れに乗りながら徐々に勉強のエンジンをかけていくことになります。

9月 夏疲れ

生徒の様子

  1. 慣れないことを8月に急にやった反動が出てくる
  2. 「高校生活最後」の学校行事に全力投球

塾での指導

  • 理社教科の課題スタート
  • 理系生は数Ⅲ課題スタート
  • 文系生は国語課題スタート

9月は一言で言えば「谷間の時期」です。学校によっては文化祭や体育祭が行われることもあるため、勉強への脱力に拍車をかけることになります。高3が受験のためそこまで時間をかけられないことを考えると、2年生の文化祭や体育祭は「高校最後」になるといってもよいでしょう。もちろん勉強は重要ですが、これらのアクティビティは一生に一度の機会ですので全力で参加して欲しいと思います。

塾の指導として特筆すべきは、夏までは主要教科(英・数)が中心の勉強だったところに理社と国語、さらに理系生徒の場合数Ⅲの課題指示が加わるところです。いよいよ本格的な受験勉強が始まります。

10月〜11月 分岐点

生徒の様子

  1. 夏にスタートを切った生徒とズルズル来た生徒の差が開き、学校の教室でも意識差が出始める
  2. 半数以上の生徒が目覚める
  3. 修学旅行(学校・コースによる)

塾での指導

  • 志望校研究開始
  • 課題の進捗チェックとフォロー
  • 第3回全統模試の準備

10月から11月にかけては、あまり目立ちませんが実は夏休みに匹敵する重要性を持つ時期です。この時期にエンジンをかけられなかった生徒の多くは、本格的に受験勉強を始めるのが来年4月、つまり高3の1学期からになってしまうことが多いのです。実際問題として、GMARCH以上を目指す生徒の場合、この辺りの時期がギリギリでしょう。

塾の指導としては、勉強面での指示に加えて志望校研究を本格化させていきます。メインの志望分野だけではなくそれに隣接する領域の選定、第二志望以下の大学学部学科研究を行います。志望校については、究極的には高3の12月まで変更することが可能ですが、「とりあえずここを目指す」という目標校は高2段階でしっかりと作っておく必要があります。目標校があいまいな場合、そもそも勉強の計画が全く立てられません。

12月〜翌年3月 受験勉強が“当たり前”の時期

生徒の様子

  1. 中堅以上を目指すほぼ8割の生徒が受験生としての自覚を持つ(12月)
  2. 修学旅行(学校・コースによる)

塾での指導

  • 志望校研究本格化。来年夏までの第一志望校を確定(12月)
  • 英数課題の追い込み(12月)
  • 大学共通テストの分析と、どれだけ通用するかの確認(1月)
  • 先輩達から情報を得てモチベーション向上(1月〜3月)
  • 第四回全統模試の準備と分析(1月)
  • 模試結果による志望校調整(1月〜3月)

この時期になるとほとんどの生徒が受験をリアルなものとして感じ始めます。各教科の知識も徐々に揃いつつあり、実践的な対策に移れる教科も出てくるところです。

指導の柱は二つあります。一つは「高2段階で絶対に終わらせておくべき課題の追い込み」。もう一つは「受験に向けた情報収集」です。純粋な受験勉強としては、前者の課題を必死でこなすことがメインになるでしょう。後者の情報収集については、生徒達だけの力ではなかなか難しい部分ですので、塾の方で必要な情報をこれまでにもまして高頻度で伝えていきます。

35年以上の指導実績

「勉強計画」「問題点の分析」「生徒の状態判断」の三本柱で志望校合格に導きます。

コース・料金紹介

偏差値55、60、65の壁を超える。生徒の能力にあったコースを展開。

高校三年生で模試偏差値50以下の状態から本格的な勉強を始め、東北大学文学部・慶應義塾大学文学部・早稲田大学教育学部・学習院大学文学部など最難関大学に現役合格したエンライテック卒業生の体験談です

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